平成24年第4回定例会一般質問

平成24年第4回定例会一般質問読み上げ原稿
(市民の広場・文京 前田くにひろ)

私、市民の広場・文京の前田くにひろは、一般質問を行います。
質問は大きく分けて、
1.認知症施策の今後の方向性について
2.成年後見制度の活用について、
3.障害者の自立生活について、
4.子育て及び高齢者・障害者計画の改定に向けた取り組みについて、
5.子どもの生きる権利の保障について、
6.基本構想実施計画の推進について

となります。

1.認知症施策の今後の方向性について

1-1認知症地域支援推進員と認知症初期集中 支援チームについて

<前田>
まず、認知症施策の今後の方向性について伺います。
先日の岡崎議員の質問にもありましたが、国は、認知症施策の今後の方向性として、認知症の症状が重くなって危機的な状況になってから対応してきた事後的な対応ではなく、早めにことが大きくなる前の初期の対応をしっかり行うことが大切なこと、そして、若年期の問題は雇用や経済問題が生じ高齢者と異なる問題が生じることが指摘されました。
新たな認知症施策では、文京区の果たすべき役割は大きく、できる限り早い段階で集中的、包括的に支援を提供する「認知症初期集中支援チーム」の結成や地域包括支援センターの認知症への対応力を強化するための「認知症地域支援推進員」の設置が求められています。
国は25年度予算要求に併せて具体的な計画を策定するとしており、文京区としては、来年度予算編成にあたってどのように取り組んでいくのでしょうか。

<区長>
前田議員のご質問にお答えいたします。最初に、認知症施策に関するご質問にお答えします。
まず、25年度予算編成にあたっての取り組みについてのお尋ねですが、
認知症初期集中支援チーム等については、来年度から国が行うモデル事業の実施状況等を注視していきたいと考えており、25年度予算に組み込む予定はございません。

1-2若年性認知症に対する取り組みの推進について

<前田>
また、若年性の認知症は、人口1万人当り約五人出現するとされているので、人口20万の文京区では約百名いることになります。区は、若年性認知症の方の実態をどのように把握されているのか。
若年性認知症の方の場合、経済的困難を抱えており、また、若年性認知症に特化した福祉サービスや専門職の充実が必要とされています。どのように取り組んでいくのかお伺いします。

<区長>
次に、若年性認知症の方の実態と取り組みについてのお尋ねですが、
要介護認定における訪問調査と、主治医意見書に基づき把握しており、いわゆる若年性認知症と判定される第2号被保険者の認定件数は、平成23年度で12件となっています。
これまで、区には若年性認知症についての相談は、ほとんど寄せられておりませんが、相談があった際には、各種福祉サービスの提供について、関係機関と連携して対応してまいります。

2.成年後見制度の活用

2-1後見ニーズの把握について

2-1-1認知症高齢者の実態把握について

<前田>
次に、成年後見制度の活用について伺います。
認知症などで判断能力が低下した方への支援として成年後見制度がありますが、成年後見を必要とする方のニーズ把握が必要です。認知症の実態把握はどのように行われているのか。また、その数はどのようになっているのでしょうか。
<区長>
次に、成年後見制度に関するご質問にお答えします。
まず、認知症高齢者の実態把握と認定件数についてのお尋ねですが、
要介護認定における訪問調査と、主治医意見書により、支援や介護が必要な認知症高齢者の認定件数は、平成23年度で4,235件となっています。

2-1-2潜在的な利用者について

<前田>
認知症や知的・精神の障害のため後見を必要とする方は、文京区で約5,600人と想定されます。しかし、実際に後見制度を利用している方は限られています。
そのギャップを行政がどのように埋めていくのかが求められています。
文京区の今までの実績は、区長申立41件、社会福祉協議会の法人後見の受任は3件に留まっています。
一方先進的に取り組んでいる品川区は、区長等申立352件、社協の法人後見、206件、後見監督60件との実績をあげています。
ケタ違いの実績の差をみると、早急な戦略の見直しが必要だと考えます。区長は、文京区の実績をどのように認識しているのか、また、今後どのように取り組んでいくのかお聞かせ下さい。

<区長>
次に、成年後見制度の実績に対する認識等のお尋ねですが、
相談等を受ける中で、親族がいない、又は申し立てが困難など、必要なケースについては区長申立てを行っており、今後も、個々のケースの状況に応じて、適切に対応してまいります。
なお、文京区社会福祉協議会が開設している権利擁護センターについては、相談を充実させるなど一定の成果をあげておりますが、更なる取り組みが必要な部分もあり、センターの機能充実に向けて、区として支援を進めてまいります。

2-2市民後見人の養成と支援について

<前田>
また、市民後見人の育成と活動支援の推進を図ることが区市町村に義務付けられています。文京区の市民後見人の養成状況はどのようになっているのでしょうか。

<区長>
次に、市民後見人の養成状況についてのお尋ねですが、
現在のところ、区は、直接養成は行っておりませんが、地域福祉権利擁護事業の生活支援員を、都が実施する養成研修に推薦するなど、人材の育成に取り組んでおります。
なお、今後、都の養成研修が区に移管される予定であり、円滑な実施に向けて社会福祉協議会と連携を図り、市民後見人の育成に努めてまいります。

2-3後見監督人の役割を負う。

<前田>
さらに、社会貢献型後見人をサポートする後見監督が可能となる体制整備が必要ですがどのように取り組んでいくのでしょうか。

<区長>
次に、後見監督業務についてのお尋ねですが、
社会福祉協議会が法人後見業務や地域福祉権利擁護事業を実施する中で、ノウハウ等を蓄積し、後見監督業務を実施する体制整備が図れるよう、支援してまいります。

2-4安心サービス3点セットについて

<前田>
高齢者の安心をつくるための施策として社協が行う「見守り事業」がありますが、その利用意向は、特に 70代と80代の世代で“利用したくないという傾向が強い。との課題が示されています。
品川区では、定期的な訪問の他、弁護士等の専門家の紹介、任意後見、公正証書遺言作成支援まで一体として提供する安心サービスを実施しています。
元気なうちから、定期的に判断能力を確認し、適切な時期に任意後見制度につなげるといった、一連の流れができる仕組みとなっています。
文京区の見守り事業では、先を見越した戦略性がありません。
後見制度につなげていけるような再構築を行うことが、高齢者の権利を守ることと考えますが、区長の見解をお伺いします。

<区長>
次に、見守り事業と高齢者の権利擁護についてのお尋ねですが、
各種の見守り事業を実施する中で、対象者の状況を把握し、支援が必要な場合は福祉サービス利用援助、日常的金銭管理サービス等、高齢者の権利擁護のための事業につなげております。

2-5後見制度活用の円滑化について(社協の代理申請と低所得者への助成の拡充)

<前田>
また、親族がいたとしても、高齢虚弱や遠方であるため、申立ててもらえない場合があります。こうした時に、社協が親族の了承を得て、代理できるよう支援するべきではないでしょうか。
さらに、財産はなくても身上監護が必要な場合もあり、後見報酬に対する助成も必要です。後見制度の利用の円滑化に対して、どのように取り組むのかお聞かせ下さい。

<区長>
次に、代理申請と後見制度の利用の円滑化についてのお尋ねですが、
ご指摘のようなケースの際には、親族に対し、制度の案内や、手続きの具体的方法に関する情報提供を行うとともに、必要に応じて申請に同行するなど、状況に合わせた支援を行っております。
また、これまでも、成年後見制度の周知及び相談体制の充実を図っておりますが、今後更に権利擁護センターの機能強化をはじめとして、制度の利用が必要な方への支援を進めてまいります。
なお、区長申立ての場合は、後見報酬について、助成を行っております。

3.障害者の自立生活について

3-1脱施設宣言について

<前田>
次に、障害者の自立生活についてお伺いします。
今年厚生委員会で視察した長崎の南高愛隣会では、「愛する人と暮らせるように」をスローガンにしており、また、施設中心の福祉から地域中心の福祉へと脱施設宣言を行なって、地域での支援システムの充実や関係者の意識改革を行なっていました。
文京区でも同様な意識の転換が必要なのではないか。区長の見解をお伺いします。

<区長>
次に、障害者の自立生活に関するご質問にお答えします。
まず、障害者の自立生活に係る意識についてのお尋ねですが、
既に障害者の地域生活を支える居宅介護や、同行援護等の障害福祉サービス等の実施により、障害者が住み慣れた地域社会で自立した生活が送れるよう、取り組んでいるところです。

3-2居宅サービスの充実について

3-2-1自立訓練について

<前田>
南高愛隣会では「普通の場所で、普通の暮らしを」「障害を持つ人の願いを叶える。」として、障害を持つ子どもが自立していけるように家庭から離れていくためのトレーニングサービスや自宅からグループホームへ移行するトレーニングを行なっています。
リハビリなどの自立生活への訓練は施設の中だけで行うのではなく、本人が生活している住居の中で日常生活がおくれるようにするため、専門家が自宅に訪れて指導することも求められます。
文京区では、自立生活の体験学習やトレーニングをどこで、どのようにやるのかお伺いします

<区長>
次に、自立生活の体験実習等についてのお尋ねですが、
障害の状況に応じた福祉センターでの自立訓練や、民間の障害者グループホームでの体験入居事業など、障害福祉サービスを利用していただく中で、自立した日常生活に向けた支援を行っております。

3-2-2在宅サービスの充実について

<前田>
また、自宅での生活を支えるサービスの充実が求められます。
自立支援給付は実績に応じて伸びていますが、サービスによっては、長年上限が固定化しているものもあり、全体の給付の伸びに合わせた充実を行うべきではないでしょうか。

<区長>
次に、在宅サービスの上限についてのお尋ねですが、
地域生活を支える障害福祉サービス等の給付については、個別の状況に応じて、支給を決定しており、地域生活を営む上で、適切なサービスが提供されているものと考えております。

3-3新福祉センターのあり方について

<前田>
また、新福祉センターのあり方について、区長はどのように考えているのでしょうか。どのような理念や哲学のもとに運営してもらいたいとを考えているのか区長の考え方をお聞かせ下さい。
脱施設が言われている時代の流れにそった意義はどこにあるのか。
地域との連携についてどのように考えているのかお聞かせ下さい。

<区長>
次に、新福祉センターのあり方等についてのお尋ねですが、
新福祉センターは、老人福祉センター機能、子育てひろばや子どものショートステイ機能、医療的ケアが必要な障害者の施設入所や短期入所等、地域で暮らしていくために必要な複合福祉施設であり、また障害者の福祉避難所でもあることから、地域との連携を緊密に持った施設として整備してまいります。
また、本センターは、基本構想の「だれもがお互いに人格と個性を尊重し、支え合うまち」の理念のもと、運営してまいりたいと考えております。

3-4障害者福祉の供給について

<前田>
また、障害者福祉サービスの供給体制の改革を進める必要があるのではないでしょうか。
文京区では、特定のところのみに事業委託や補助金を提供していますが、事業委託先を広く求め公開していくようにし、補助金も同じ事業を行うのであれば、支給されるようなオープンで透明性のある事業者支援を行う必要があるのではないでしょうか。

<区長>
次に、障害福祉サービスを提供する事業者支援についてのお尋ねですが、
障害福祉サービスについては、事業の拡充に合わせ、社会福祉法人を公募により区内に誘致してまいりました。
障害福祉事業を担う事業者が増加していることから、今後、区内の社会福祉法人等の事業内容を踏まえ、適切な対応を行ってまいります。

4.子育て及び高齢者・障害者計画の改定に向けた取り組みについて

4-1ニーズ調査について

<前田>
次に、子育て及び高齢者・障害者計画の改定に向けた取り組みについて伺います。
子育て及び高齢者・障害者計画の改定に向けて、来年度行われるニーズ調査はどのような考え方で望んでいくのかお伺いします。

<区長>
次に、子育て支援及び高齢者・障害者計画の改定に関するご質問にお答えします。
まず、計画の改定に向けたニーズ調査等についてのお尋ねですが、
「高齢者・介護保険事業計画」、「障害者計画」の改定にあたっては、高齢者や障害者の生活実態、サービス利用状況等の調査を行い、それぞれの計画改定に活かしてまいります。

4-1-1住宅に関する区民のニーズの把握について

<前田>
まず、住宅施策は、介護保険で重要な柱となっています。
住宅に関するニーズを把握するための調査を盛り込む必要があるのではないでしょうか。

<区長>
また、実態調査に盛り込む内容については、住まいに関する項目を含め、今後、検討してまいります。

4-1-2定性的な調査の実施について

<前田>
次に、前回の改定の際、障害者や高齢者では、当事者の声を直接聞くヒアリングにより実情を把握する「定性的な調査」も行われ、アンケートなどの「量的な調査」では見えてこなかった実態も浮き彫りになり成果をあげています。
子育てニーズの把握にあたっても、そうした手法も検討するべきではないでしょうか。

<区長>
「子育て支援計画」の改定にあたっては、子ども・子育て支援法における「子ども・子育て支援事業計画」を取り込んだ計画として位置づけ、来年度、ニーズ調査を実施してまいります。
今後、国において調査の詳細が明らかになり次第、サービス利用の実態や利用意向、さらに本区の子ども及び子育て家庭の置かれている環境等の実情を踏まえた調査となるよう、よりよい調査方法を検討してまいります。

4-1-3職員が把握しているニーズの共有化について

<前田>
また、普段の行政業務中で職員の方々が受け止め、把握してきた区民のニーズについては、どのように明確化していくのかも求められています。
区民からの要望やニーズについてデータベース化を行うなど共有化できるような仕組みをつくるべきではないでしょうか。

<区長>
次に、職員が把握しているニーズの共有化についてのお尋ねですが、
区では、個別計画の策定にあたって、ニーズ調査を行うほか、日常業務や区民の声等により、区民ニーズを把握しており、各職場において、これらの情報の共有化を図っております。
また、こうして把握した区民ニーズを多角的に検討し、事業化を図るなど区民サービスの向上に向けた様々な取り組みを進めているところです。

4-1-4高齢者状況把握訪問の結果の成果について

<前田>
ニーズ調査の結果は施策に反映し、その成果を提示する必要があります。高齢者状況把握訪問の成果はどのようになったのか。終結や継続、未着手とそれぞれどのようになっているのかお伺いします。

<区長>
次に、状況把握訪問の成果についてのお尋ねですが、
75歳以上高齢者の状況把握訪問の対象となった1万人余りの高齢者のうち、約9割の方は、支援が不要という判定になっております。
また、約1割の方のうち、約300人の方には希望される事業につなげ、約900人の方には、高齢者あんしん相談センターが継続して実態把握訪問を行い、必要な対応を行っております。

4-1-5サービスを利用しない在宅保育家庭の実態把握について

<前田>
また、高齢者実態把握訪問により、高齢者の潜在的なニーズの把握ができましたが、同様に保育園や幼稚園などの子育てサービスを利用しない在宅保育家庭の実態把握はどのように行なっているのかお伺いします。

<区長>
次に、在宅保育家庭の実態把握についてのお尋ねですが、
保育園、幼稚園等のサービスを利用しない家庭だけを抽出した調査は行っておりませんが、「子育て支援に関するニーズ調査」において、サービス利用の有無に関わらず、就学前児童のいる家庭の調査を行っており、これに基づき、子育てひろばや、一時預かり等在宅保育家庭に向けた施策の充実を図っております。

4-2日常生活圏域を再編について

<前田>
次に日常生活圏域の細分化についてお伺いします。4つの日常生活圏域では広すぎることからサブセンターの増設がなされることになり、最終的には八ヶ所となります。
これからの地域包括ケアのためには、町会・自治会との連携が必要で、所管する9つの地域活動支援センターとの連携が求められます。
地域活動支援センターは、住民にとってもっとも身近な行政の窓口です。日頃のお困りごとを受け止めるところでもあり、その所管地域は住民の生活実感のある圏域と言えます。
他の自治体でも、当初大きな圏域でしたが、地域活動支援センターの地域へ細分しているところもあります。
文京区でも、地域活動支援センターの地域を日常生活圏域とするように第6期事業計画の策定にあたって検討するべきです。

<区長>
次に、日常生活圏域の再編についてのお尋ねですが、
現在の4圏域は、民生・児童委員や高齢者クラブなど、高齢者を支える地域団体等の地域割と一致させたものであり、これら団体等との連携を進めるにあたり、有効に機能しており、現段階では、4圏域を変更する考えはございません。

4-3福祉の人材育成・確保について

<前田>
次に介護職員の確保と育成についてお伺いします。
高齢化に対応するため介護職員を増やす必要がありますが、逆に昨年から減少傾向となっています。
文京区としては、介護職員の実態をどのように把握しており、どのような課題があると考えているのか、またその対策はどのように考えているのかお伺いします。
また、処遇の改善が重要だと考えますが、地域密着型サービスの独自加算の運用を強化することや企業内保育施設の充実など現場の職員の勤続継続への支援として文京区でできる対策は何かをお伺いします。

<区長>
次に、介護職員の実態把握や勤続への支援等についてのお尋ねですが、
介護職員の実態については、介護事業所との各種会合等を通じて、状況把握に努めており、介護人材の確保等が課題であると認識しています。
このため、介護事業所と共催でイベントを実施するなど、介護人材の確保に向けた支援を行っています。
また、地域密着型サービスの独自加算については、既に小規模多機能型居宅介護について設けているところですが、独自加算の対象が、地域密着型サービスの一部に限られていることから、さらなる加算を設けることは考えておりません。
企業内に保育施設を設置する場合は、国や都が助成事業を実施しておりますので、その積極的な活用を案内しているところです。
介護職員の定着については、区としても、職員のモチベーション向上のために、各種研修を実施するなど、引き続き、支援を行ってまいります。

 

5.子どもの生きる権利の保障について


<前田>
次に、子どもの生きる権利の保障についてお伺いします。
大津市のいじめによる自殺した中学生の事件をきっかけにいじめによる自殺の問題が脚光を浴びました。

5-1大人の意識改革について

<前田>
文京区の青少年のための行動計画である「文京区青少年育成プラン」では、「まず大人が変わらなければならない。
「子どもはおとなたちの社会を映す鏡である」おとなたちの言動・行動は、素直に子どもに反映されると言っても過言ではありません。
私たちは「おとなが変わらなければ、子どもも変わらない」」とプランでは述べられています。
私達大人の中にある「いじめ」体質やいじめをしようとする無意識の気持ちである「いじめ志向」を意識化していかなければならないのではないでしょうか。
弱者を切り捨て、数が力であり、少数者の意見や考え方を尊重しない風潮を私たちは持っていないのか自問自答する必要があるのではないでしょうか。
特に、方針決定をする上層部の意識が変わらなければならないのではないでしょうか。区長及び各教育委員のみなさん一人ひとりのご認識を伺います。

<区長>
次に、子供の生きる権利の保障に関するご質問にお答えします。
まず、大人の意識改革と子どもの権利条約の視点からの施策の実施についてのお尋ねですが、青少年の健全育成を考える上で、子どもたちに対するいじめや体罰、虐待等は決して許されるものではなく、全ての子どもは、一人の人間として最大限に尊重されなければなりません。
これまで、区が実施してきた様々な施策についても、当然、この理念を含むものであります。
今後とも、子どもを人権の主体として考える基本的な立場に立ち、大人への意識啓発も含め、施策の推進を図ってまいります。

5-2学校の対応について

<前田>
先日行われた野沢和弘氏の障害者虐待防止に関する講演会では、福祉や教育を仕事にしている人が虐待をするわけがないという先入観をもっている人が意外に多い。そうした中で虐待の芽は生まれる。「絶対に権利侵害はありません」というリスクを生じ、虐待を否認する心理を形成する。沈黙に耳を澄まして聞き取って欲しい。しかし、法律では、学校は通報義務の対象外となっているが、育成会の調べでは、数では学校での虐待が断トツで多い。また解決スキームから外れているため、訴訟リスクが高くなっている」とのことですが、学校内での虐待防止にどのように対処していくのでしょうか。

<教育長>
教育に関するご質問にお答えします。
はじめに、学校内での虐待防止への対処についてのお尋ねですが、
学校が障害者虐待防止法の通報義務の対象外とされているのは、学校教育法に規定される体罰が服務事故として処分の対象となり、厳正に扱われるためであると認識しております。
体罰の防止に当たっては、日頃から服務の厳正について、校長会等で周知・徹底を図るとともに、各学校において服務事故防止研修を実施し、教職員に指導の徹底を図っているところであり、今後も適正に取り組んでまいります。

5-3こどもの権利条約の精神を活かしていく

5-3-1施策の点検について

<前田>
また、文京区青少年育成プランでは、「こどもの権利条約を念頭に、おとなも子どもも理解を深めてほしいと考えます。日本では、まだこの子どもの権利の意識が完全に浸透しているとは言えない。」との見解が示されています。文京区としては、こどもの権利条約を念頭にした施策の実行が求められます。
男女協働参画では、男女平等の視点で、区の施策が評価されています。子どもの権利条約の視点から今一度施策の実施について点検すべきであると考えますが、ご認識を伺います。

<区長>
また、現在、区や地域団体等が実施している青少年健全育成事業については、子どもの人権を尊重する考え方が根底にある「文京区青少年育成プラン」に基づくものであります。改めて点検するまでもなく、その理念は、既にそれぞれの取り組みに広く浸透し、実行されているものと考えております。

5-3-2意見表明権の保障について

<前田>
また、子どもの権利条約では、「子どもが安心して学べる教育を受ける権利」が保障されていると同時に、いじめを訴えられるなど子どもの意見表明権が保障されています。
教育振興計画を策定中ですが、子どもたちの意見をどのように反映していくのでしょうか。
当事者の声を聞いていく方策の充実などを求めますが、ご見解を伺います。

<教育長>
次に、子どもの意見表明権についてのお尋ねですが、
教育振興基本計画は、今後5年間に文京区が取り組むべき教育施策の方向性を示し、これらを総合的・計画的に推進していくために策定するものであるため、教育改革区民会議に対し諮問を行い、審議を進めているところでございます。
審議にあたっては、保護者及び町会・商店会の方々を対象に「教育に関する区民意識調査」を実施したほか、子どもたちの声を聴くため、区立中学生に対してのインタビューも行いました。
また、学校運営におきましても、児童会・生徒会活動に加えて、学校評価の一環として児童・生徒に対するアンケートを実施するなど、子どもたちの意見を取り入れる機会を確保しております。

5-3-3子どもの人権オンブズパーソン制度について

<前田>
兵庫県川西市では、全国で子どもの「いじめ」や、それによると思われる子どもの自殺があいついだ平成6年に、「子どもの人権と教育」検討委員会をもうけ、また「子どもの実感調査」を実施するなどして、どうすれば子どもの権利条約を生かして、子どもを守ることができるのかを検討してきました。
そして、全国で最初になった「子どもの人権オンブズパーソン条例」を制定し子どもの人権オンブズパーソン制度を設けて、子どもの悩みに対処し実績をあげています。
文京区でも、同様の取り組みを行うべきですが、お考えをお聞かせ下さい。

<区長>
次に、子どもの人権オンブズパーソン制度についてのお尋ねですが、
これまで、人権相談、いじめ電話相談、青少年相談、子どもと家庭に係る総合相談など、子どもの人権擁護や救済等に関し、様々な専門の立場から応じられる相談体制を整えており、十分な成果が得られているものと考えております。したがいまして、ご指摘のような新たな条例の制定や、制度の導入は考えておりません。

5-4セクシャルマイノリティの子どもたちへの対応について

<前田>
次に、セクシャルマイノリティの子どもたちへの対応について伺います。
「都教育委員会を含む行政当局としては、その職務を行うについて、少数者である同性愛者をも視野に入れた、きめの細かな配慮が必要であり、同性愛者の権利、利益を十分に擁護することが要請されているものというべきであって、無関心であったり知識がないということは、公権力の行使に当たる者として許されないことである。」との判例があります。
文京区でも性的指向を理由とする差別や偏見をなくすることも解決すべき人権問題の一つであるとの認識が示されています。
同性愛男性を対象にした調査によれば、首都圏の男子中学生の自傷行為の生涯経験割合は同性愛男性の方が2倍以上高く、年代が若いほど高くなる傾向がみられる。同性愛男性の自殺未遂リスクは異性愛者より約6倍高いとのことです。
一方、教育は自殺予防に重要ですが、教育現場で性的指向に関する情報提供は「ほぼ皆無」という調査結果があり、逆に、否定的な情報提供がされている現状もあります。
そうした中で、セクシュアルマイノリティの学齢期のいじめ被害経験割合は、約80%との調査もあり、子どもの頃から生きづらさが始まっています。
自殺未遂を試みた初回の平均年齢が17歳であったことからも、学齢期から学校を通じ適切な情報提供が不可欠です。

5-4-1教育現場における同性愛についての情報提供について

<前田>
ひとつのクラスに1人か2人は存在すると見積もられるセクシャルマイノリティの児童生徒にたいして、中立的・客観的な情報提供が必要とされているが、教育委員会としてはどのように取り組むのか。ご認識を伺います。

<教育長>
次に、教育現場における性的指向に関する情報提供についてのお尋ねですが、
学校教育活動において児童・生徒への指導及び情報提供を積極的に行う予定はありませんが、個別の対応につきましては、人権に十分に配慮し、適切に行ってまいります。

5-4-2区職員や教職員に対する正しい情報 の発信、研修

<前田>
同性愛者の存在を前提に政策の立案や実施が行なわれ、同性愛者の区民の方に対しても適切な対応がとられることが求められています。
また、学校教育の現場においても、教職員が、クラスの中に、同性愛者の生徒がいるかもしれないという態度で生徒と向き合うようになるように、また、教職員が生徒の前で同性愛者を根拠なく揶揄するような発言や差別的な言動をとらないようになることが求められています。
文京区の行政職員や教員らに同性愛者に関する正確な知識や権利擁護意識が持てるようにするカリキュラムを研修の中に盛り込むべきですが、いかがでしょうか。ご認識を伺います。

<区長>
次に、権利擁護意識等の研修についてのお尋ねですが、
職員が個人を尊重するという人権意識を持つことは、大切であると考えております。
こうしたことから、新任職員から管理職まで毎年多くの職員が、区及び特別区職員研修所で実施している人権研修や職層研修を受講し、様々な人権についての正しい理解と認識を深めているところでございます。
<教育長>
最後に、教職員に対する研修等についてのお尋ねですが、
毎年計画的に、教職員を対象とした人権教育研修会を実施しており、今後も人権に関する正しい知識と理解を深めるために、様々な人権課題について取り上げ、研修の更なる充実を図ってまいります。
なお、ご指摘の項目の研修は行っておりませんが、こうした人権研修を重ねることで、個別の対応について、人権に十分配慮するよう指導してまいります。

6.基本構想実施計画の推進について

<前田>
次に、基本構想実施計画の推進について伺います。
基本構想実現度評価が区民協議会で行われましたが、その中でいくつかの質問をいたします。

6-1人口20万人都市について

<前田>
区長は、「人口20万人回復大作戦」と銘打ち、区政に取り組んできましたが、20万人都市を目前としたいま、どのような自覚をお持ちなのでしょうか。人口が20万人になれば、30万人の中核市とはいわないまでも、20万人の特例市なみにはなります。
特例市と中核市の区別をなくしていこうという議論もあり、中核市なみということになれば、社会福祉に関する事務では、児童相談所の設置以外、政令市とほぼ同様の権限を得ることができるだけの自治体として認められるということです。
区長としては、20万人都市の重みをどのように考えているのでしょうか。区長は20万人都市になって何を実現したかったのでしょうか。お伺いします。

<区長>
最後に、「基本構想実施計画」の推進に関するご質問にお答えします。
まず、20万人都市の実現についてのお尋ねですが、
今後、さらなる進展が想定される高齢社会においても、すべての区民が豊かさを実感でき、安心して住み続けられる活力あふれる地域社会を築いていくことが、大切であると考えております。
そのためには、自立した自治体として、財政基盤をより強固なものとし、魅力ある政策を展開し続けることが、何よりも重要であると考えてまいりました。
そして、これらを実践することにより、区の将来を担う子育て世代や、若い世代の転入を促すとともに、その方々が、末永く文京区に住み続け、そのことが、さらなる地域の活性化へと結びついていくものと確信し、人口20万人回復大作戦を掲げたものでございます。
基本構想策定時に目標としていた人口20万人が目前となっている現在、区政を担う私の責務は重いものと考えており、引き続き、基本構想に掲げる将来都市像の実現に向け、「基本構想実施計画」を着実に実施していくとともに、「行財政改革推進計画」に基づき、より質の高い効率的な行政体制を構築し、区民サービスの向上に取り組んでまいります。

6-2「指標」の設定について

<前田>
また、計画を立案し目標を定めた時の本来の趣旨から、計画自体達成が目的化してしまい、優先されてしまいます。本来の趣旨ではなく、形が優先されてします。
そのため、「指標」による政策評価が行われるようになってきましたが、結局、政策評価の本来の趣旨から離れて、実際に行われていることは、政策評価を行なっているという形が優先されているのではないでしょうか。
「指標」の数値目標の設定にそれが現れています。
実質よりも形式が優先される文化、行動様式、思考パターンを変えて行かなければならないのではないでしょうか。ご認識を伺います。

<区長>
次に、「基本構想実施計画」に掲げた指標についてのお尋ねですが、指標は、分野ごとに、可能な限り成果を評価できるものとするとともに、3か年の政策の方向性を示すことで、区民にわかりやすい基本構想の進行管理を行うため、設定しております。
設定にあたっては、3回にわたる基本構想推進区民協議会での検討や、議会でのご意見、パブリックコメントの結果等を踏まえており、設定した指標をもって、政策・施策評価が形式化しているとは考えておりません。

6-3施設整備について

<前田>
また、複数の委員から施設整備について質問が寄せられ「今後、公有地の活用も含めて施設整備に努めてまいります。」と回答がされていますが、
具体的な検討状況はどのようになっているのでしょうか。
活用できる国有地や都有地はどの程度見込んでいるのか、また、どのように活用していく計画を立てているのか。お聞かせ下さい。

<区長>
次に、施設整備についてのお尋ねですが、
施設整備については、行財政改革検討部会の下に分科会を設置し、現在、検討を進めております。
また、区内の国有地、都有地については、関東財務局や都などからの情報収集に努めておりますが、現状で利用を想定しているものはございません。

6-4公務員の再就職について

<前田>
また、委員からの質問に対し、区は、「天下り団体は存在しません。」と回答しました。
昨年決算委員会総括質問で、幹部職員の民間団体への就職の実態について「区から事業委託や補助を受けている団体への過去5年間の区職員の就職は、18団体である。」と回答しています。
2つの回答の食い違いについて、どのように解釈したらいのか区長の見解をお伺いします。

<区長>
次に、職員の民間団体への就職の実態についてのお尋ねですが、
現在、職員は、定年退職後の年金支給までの間、再任用職員として区に勤務するほか、公益的法人派遣法に基づき、公益的法人において派遣職員として勤務しております。
しかしながら、公益的法人に該当しない団体については、派遣法が適用されないため、区を退職後、再採用という形式を取っており、当該再就職については、天下りという認識はございません。

<前田>
また、幹部職員の民間団体への就職、いわゆる天下りの問題について、どのような認識をお持ちなのか伺います。
今まで規制する側にいた者が、規制される側の重要なポストに就くことの意味・意義はどのようなことなのか。ご認識を伺います。

<区長>
次に、いわゆる天下り問題の認識についてのお尋ねですが、
天下りとは、予算や権限を背景とした押しつけ的なあっせんの結果、再就職を行わせるものです。
再就職者が区に対して働きかけを行うことにより、規制や契約事務の適正な執行を阻害される恐れがあることから、望ましくないものと考えております。

<前田>
以上で質問を終わります。ご清聴誠にありがとうございます。