平成26年第1回定例会 一般質問と区長の回答(全文)

平成26年第1回定例会 一般質問

(市民の広場・文京 前田くにひろ)

 平成26年第1回定例会にあたり、私、市民の広場・文京の前田くにひろは、区長・教育長に対して一般質問をいたします。

質問は、大きく分けて、

1.働くことの支援について、

2.今後の福祉政策のあり方について、

3.権利擁護について、

4.今後の学校・福祉施設の整備のあり方について、

5.男女平等参画推進条例について

の5の分野になります。

 

<1.就労支援について>

最初に、働くことの支援についてお聞きします。

働くことは、所得を得ることのみならず、生き甲斐や自己実現となり、社会参加としても重要なことであり、「福祉から就労へ」との政策の移行がなされ、区民に身近な自治体である区においても就労支援施策の充実が求められています。文京区の来年度予算案では、若者への就労支援講座の開催や引きこもり等自立支援事業、障害者の非常勤としての雇用する「業務サポート室」の設置、高齢者の社会参加促進事業などが盛り込まれ、働く意欲がありながら、さまざまな就労阻害要因を抱えるため働くことができない障害者、高齢者、若者、一人親家庭などに対して支援を進められることを評価いたします。

 

1-1総合的な就労支援について

 しかし、そうした雇用や就労支援は、対象者ごとに障害者、高齢者、若者、母子といった縦割りで対応しています。雇用・就労支援という視点で総合的に行える体制をつくるべきではないでしょうか。

 豊中市では、市の就労支援の総合的な計画である「豊中市雇用・就労施策推進プラン」を策定し、「豊中市地域就労支援センター」や「無料職業紹介所・豊中しごと相談ひろば」を設け、区民にとってワンステップで相談や支援が利用できる体制を整えています。

また、新宿区では、「新宿区勤労者・仕事支援センター」という勤労者支援から就労支援、働く場作りまで総合的に行う組織を設け、障害者、高齢者、若者、女性などに対する就労支援を包括的・効率的に行っています。

一体的に行うことで、障害者への支援方法が高齢者にも活用できるなど、支援するノウハウを転活用でき、区内での求職・求人情報を集約し共有することができるなど、効率的に仕事を紹介することが可能となります。

また、産業振興とも連携を取ることにより、中小企業とのパイプも自然とでき求人情報等が得やすくなり、さらに、リサイクル事業など障害者の力を活かす事業を実施すれば仕事づくりにもつながります。

平成27年には、区民センター1階に障害者就労支援センターを移転し拡充する計画があり、また、ハローワークとの連携強化を含めた生活困窮者自立・就労支援も始まるなど就労・雇用行政に大きな変化があります。

そのため、区庁舎内に分散している雇用・就労支援業務を統合し、機能の拡充を行うことを求めますが、まずは、庁内の担当者連絡会のようなものを開催するなど、連携に向けてどのように取り組むのでしょうか。伺います。

(区長)

雇用・就労支援体制等についてですが、就職にあたっては、求職者それぞれの事情に応じた、個別の配慮が必要であることから、各所管において、きめ細やかに対応しているところです。

 また、地域雇用問題連絡会議を開催し、本区における雇用労働問題に係る課題等について、ハローワークなど関係機関と協議するとともに、関係部署が随時集まって情報共有を行っております。

 

<1-2障害者就労支援センターのあり方について>

また、障害者就労支援センターについては、民間に委託をする方針が出されていますが、行政内にノウハウ等の蓄積がなされなくなるなど障害者の就労に関する責任が後退する恐れがありますが、今後の区の姿勢を伺います。

(区長)

 障害者就労支援センターについてですが、障害者就労支援事業の実施主体は、あくまで区であり、これまで築いてきた関係機関との様々な連携の実績を活かすとともに、新たに民間の専門的なノウハウ等を導入することにより、障害者の就労支援の充実に取り組んでまいります。

 

<1-3文京ブランドの形成について>

障害者の「働く」を支援する区内の障害者作業所では、商品を製造し販売していますが、どういった商品があるのかといった商品情報を購入者である区民に分かりやすく提供する仕組みが必要です。また、商品企画のアドバイザーを得て、購買意欲がかき立てられるような市場性の高いものを作るなど商品の質を上げる取り組みをしているところもあります。文京区も支援を行い、障害者の能力を引き出せる工夫をし、「文京ブランド」をつくって、区としても様々な媒体でPRするなど必要があると考えますが、お考えを伺います。

(区長)

障害者施設の自主製品に対する支援については、シビックセンター1階アンテナスポットにおいて、「文の京ハートフル工房」を定期的に開催し、来庁する区民等に対し、障害者製品の魅力が発信できるよう支援を行っているところです。

また、障害者地域自立支援協議会の専門部会において、区内の障害者施設の製品等のPRや、販売機会の拡大について検討しております。

 

<1-4若者の就労支援について>

若者の就労支援では、ひきこもりの支援にきめ細かく取り組まれることを評価しますが、一時的ではなく長期的に関わる必要があり、若者として、モラトリアム期間とアイデンティティを確立するまでの「時間」と「場所」を提供することが必要であると考えます。例えば、沖縄の北谷町には、若者を中心として、就労支援や社会生活能力向上を行うトレーニングする「アソシア大学」という作業所があります。大学のように様々な学び体験するカリキュラムを通して、利用者は、自分の人生を模索していき、自分の進みたい道が決まり、次のステージへの意欲が出て来たら卒業していくよう支援をしています。そうした取り組みを文京区においても取り入れてはと思いますが、いかがでしょうか。

 

(区長)

若者の就労支援については、本年4月から実施するSTEP、ひきこもり等自立支援事業では、専門機関等との連携により、就労意欲向上のための段階的なプログラムやボランティア体験を通じた支援などを行うこととしております。

若者が抱える課題の要因は様々であり、社会復帰に向けた多様なプログラムを用意し、対応を図ってまいります。

 

<1-5法定雇用率引き上げへの対応について>

民間企業の障害者雇用に関しては、平成25年度から障害者を従業員の一定割合雇用しなければならないとされる法定雇用率が、2割引き上げられ2%となり、障害者雇用義務がより強化されました。そうした法の趣旨を踏まえて、文京区でも、契約を結ぶ際、法定雇用率を満たしている事業者に限るなど、法定雇用率の厳守を推進すべきではないでしょうか伺います。

(区長)

障害者雇用については、昨年度より工事案件で試行実施している総合評価落札方式において、評価項目として、法定雇用率以上の障害者を雇用している入札参加者には加点しており、引き続き、こうした取り組みを行ってまいります。

 

<労働の質の確保について>

また、労働の質の確保にも配慮し、「働きがいのある人間らしい仕事」が、公契約においても守られる必要があります。文京区では、指定管理者の従業員の雇用状況の把握を始めましたが、さらに労働の質を守られる公契約条例の策定等を進めるべきではないか、伺います。

(区長)

単独の自治体による公契約条例の策定については、効率性や効果に課題もあると認識しております。

また、労働条件の確保については、事業主の責任であると考えておりますが、今後も国等の動向を見ながら研究課題としてまいります。

 

<1-6障害者差別解消法施行に向けた準備について>

先日、障害者の権利条約の批准がなされ、条約の規定が日本国内にも適用が始まります。条約では、障害は個人ではなく社会にあると考えており、また、「われわれのことを我々抜きで勝手に決めるな」と当事者の自己決定権の重視などが特徴となっています。しかし、次の文京区の基本構想実施計画では、条約について触れられておらず、趣旨も十分に踏まえられているようにはみえません。条約の趣旨を活かして行くべきですが、どのように評価しているのでしょうか。

(区長)

障害者権利条約を踏まえた取り組みについてですが、基本構想では、障害者権利条約を視野に入れ、合理的配慮の考え方の浸透等を掲げており、次期「基本構想実施計画」においても、この理念の下、計画を推進することとしております。

 

<差別解消法施行への準備について>

また、障害者差別解消法が施行に向けて、区役所や区立学校等の職員の採用や働く場では、差別的取扱の禁止や合理的配慮への準備が必要ですが、どのように取り組んでいくのでしょうか。また、区民・事業者への周知・啓発をどのように行っていくのか伺います。

(区長)

障害者差別解消法については、現在、国の障害者政策委員会において基本方針の検討が行われており、周知・啓発等については、国の検討状況を注視し、適切に対応してまいります。

なお、法施行に伴う区の取り組みについては、採用や職場における不当な差別的取扱いの禁止はもとより、障害のある職員の状況に応じた職場配置等について、これまでも留意しており、法施行後も引き続き、障害者の職場環境の整備に努めてまいります。

 

 

次に、今後の福祉施策のあり方について伺います。

 

<2.今後の福祉政策のあり方について>

<2-1地域福祉計画等の改定について>

 まず、地域福祉計画等の改定についてお伺いします。

 来年度は、地域福祉計画を始めとして5つの福祉計画が改定されています。

 計画には、「タスク・ゴール」、「プロセス・ゴール」、「リレーションシップ・ゴール」の3つのゴールがあり、区民の生活や福祉課題といった「タスク」を緩和し解決する「タスク・ゴール」を達成することは、当然ですが、区民の参加・参画による計画策定過程である「プロセス」を重視し、区民と共に検討を重ねていく姿勢である「プロセス・ゴール」を大切にすべきだと考えます。

 さらに、計画の策定過程や実施する過程を通じて、分野ごとの縦割り構造の変革が行われたり、区民の間で助け合いなど生活の共同性が再生したり、地域の福祉力を高めるコミュニティづくりの活動が実現したり、地域内での分権や自治が行われるようになるなど、区民間の関係性や地域社会のあり方である「リレーションシップ」の変化を目指す「リレーションシップ・ゴール」が重要だと考えます。

 5つの福祉計画策定では、計画づくりから計画の実施を通じて、地域の民主化は進展したか、当事者の人権・権利は擁護されたか、区民の連帯感は強まったかなどを念頭に行ってほしいと考えますが、区長の姿勢を伺います。

 

(区長)

「地域福祉保健計画」については、実態調査等から明らかになった課題の解決に向け、地域福祉推進協議会での協議、区民説明会やパブリックコメントによる区民意見の聴取など、区民参画による計画策定を行ってまいります。

また、本計画に基づき、自助・互助・共助・公助を組み合わせ、事業者や地域団体など多様な主体と協働しながら、地域で互いに支え合う社会の実現を目指してまいります。

 

<2-2長期的な視点での計画作り 将来像をどのように思い描いているのか?>

昨年末、厚生労働省の社会保障審議会介護保険部会から「介護保険制度の見直しに関する意見」として今後の介護保険のあり方についての方向性が示されました。

高齢化が一段と進む2025年に向けて地域包括ケアの構築を見据え次期事業計画作りに取り組むことが求められていますが、文京区の2025年における将来の高齢化の状況の予測や現在の給付内容の分析などはどのように行われているのでしょうか。

(区長)

高齢化率と給付内容の分析についてですが、2025年の本区における高齢化率は、25%程度と見込んでおり、その後もしばらくは増加していくものと予測しておりますが、「高齢者・介護保険事業計画」改定時に、改めて高齢者人口を推計するとともに、給付実績の分析や予測を行い、これらの結果を反映してまいります。

 

<地域ケア会議について>

また、今後法定化される「地域ケア会議」の開催状況とその効果の検証はどのように行われているのか。伺います。

(区長)

地域ケア会議については、日常生活圏域ごとの個別会議と、区全体の課題を検討する会議で構成します。

来年度に試行し、本格実施に向けた準備を行ってまいります。

 

 

<2-3認知症ケアの推進>

来年度文京区では、「認知症コーディネーターと嘱託医の配置」、「医療機関等との連携による認知症の早期発見・早期対応」を進める、とされています。嘱託医の配置など医療関係者が前面に出てくると、医療モデルになってしまう危険性がありますが、認知対策施策推進5カ年計画の趣旨である生活モデルを中心として進めるべきではないでしょうか。いかに5カ年計画の趣旨を活かしてしていくのか。人選や事業の進め方における文京区の姿勢が問われていますが、どのように取り組むのか伺います。

(区長)

認知症ケアについてですが、本区の認知症施策総合推進事業は、国の「認知症施策推進5か年計画」の方針を踏まえたものであり、早期に適切な医療と介護の体制を整えることで、より良い生活支援を行ってまいります。

医療については、医師会から認知症サポート医を嘱託医として推薦していただき、専門医療機関と、かかりつけ医との連携を進めてまいります。

 

<2-4地域医療連携>

また、「在宅医療連携拠点機能の具体的な方策」を検討する、とされています。

 

<2-4-1現在の検討の到達点について>

まず、いままでの地域医療連携の検討の到達点について伺います。今年度で医療連携推進員の配置が終了になりますが、医師との連携に困難を感じる介護支援専門員が多い現状が解消されたのでしょうか、その後の取り組みはどのようになるのか。

(区長)

地域医療連携については、平成21年度から地域医療連携推進協議会を設置し、役割分担の明確化や後方支援病院の確保等に取り組んでおり、その成果として、地域の病院と診療所の連携や、医科と歯科との連携が円滑に行われていると認識しております。

また、医療連携推進員の配置により、退院支援等の課題整理を行うとともに、医療と介護の関係者の顔の見える関係づくりに取り組んでまいりました。

高齢者あんしん相談センターは、地域包括ケアの拠点となっていることから、今後もケアマネージャーを支援し、医療との連携に取り組んでまいります。

 

<情報共有ツールについて>

また、連携における情報共有ツールづくりも提案されていましたが、実施に向けての課題とその対応状況はどのようになっているのか。伺います。

(区長)

情報共有ツールについては、地域医療連携推進協議会の在宅医療検討部会において、情報共有ツールの項目の精査や、活用方法の検討を進めてまいりました。

今後は、具体的な活用について、モデルケースを試行し、検討を続けてまいります。

 

<2-4-1ICTの活用について>

情報共有においてICTの活用は、重要ですが、例えば、「浦添市医師会」が平成20年から国のモデル事業として行っている浦添地域健康情報活用基盤構築実証事業プロジェクトのように、区民が自分の考えで、自らの健康履歴を蓄積し、医療や健康に役立てることができるよう、健康情報の活用できる基盤づくりを行えば、病気の管理だけではなく、健康づくりの記録も行え、個人の健康履歴を分析できるようになるため健康施策に有効活用できることになっています。また、文京区では、定期巡回・随時訪問介護・看護サービスが実施されていますが、その際にも個人情報がICTで事業者より管理されています。利用者の医療や健康の情報が事業者ごとにバラバラに存在して連携ができていない現状がありますが、区民が自分で自分の医療や健康の情報を管理できるシステムのインフラを整備することは、文京区が果すべき公的な役割といえます。どのように取り組むのか伺います。

(区長)

健康履歴等を管理するシステムについてですが、健診結果、治療履歴、心身の状況等に関するデータは、個人の健康管理ばかりでなく、区民の健康実態の把握や政策形成に寄与するものと認識しております。

しかしながら、区単独で整備することには課題が多く、区としては、国や他の自治体の動向を注視してまいります。

 

<2-5地域支援事業の見直しについて>

地域支援事業の見直しにあたっては、区が中心となって、生活支援サービスを担う事業主体の支援体制の充実・強化を図る必要があり、高齢者等を担い手として養成し、地域のニーズと提供主体とをマッチングさせるためのコーディネーターの配置が求められています。また、多様な主体による多様な通いの場つくりなど社会参加の促進などが求められています。区が、住民の主体性を引き出し、具体的な形にしていく支援が喫緊の課題ですが、文京区の住民参加や地域の特性についてどのように分析し、どのような認識を持っているのか、また、文京区の強みは何と考え、どのようにその強みを活かしていくのか伺います。

(区長)

地域支援事業についてですが、高齢者等実態調査では、50歳から64歳までの方の約6割が、参加したいボランティア活動があるという結果が出ているなど、参加意向を持つ区民が多いことが、本区の強みであると考えております。

こうした方々が、地域支援事業の担い手になっていただける仕組みづくりを、検討してまいります。

 

<2-6介護の重度化への対応について>

 

<2-6-1施設の改修について>

また、特別養護老人ホームについては、利用者を要介護度3以上の重度者に限定する方向性が打ち出されていますが、現在の設備や形態は幅広い人が入居する前提となっており、重度化に対応できる備えとなっていません。重度化に向けた施設の改修を進めるべきではないでしょうか。伺います。

(区長)

特別養護老人ホームの施設改修については、区内の入所者のうち、要介護度4・5の方は7割を超え、現時点では、これらの方々への対応が出来ているものと認識しているため、入所者の重度化の観点からの改修については考えておりませんが、必要な改修に向けて、運営法人と協議しております。

 

<2-6-2福祉機器の導入支援について>

また、「職場における腰痛予防対策指針」が昨年6月に改定され、人力による人の抱え上げを原則禁止するとされました。腰痛は、介護人材不足の要因の一つとなっており、リフトなどの福祉機器の積極的な使用により、職員の負担を減らすことができ、働きやすい環境がつくられます。利用者にとっても、安全性や快適性があがり、自分の力を活用することで、自分らしい生活できる環境づくりとなります。区内の施設について、リフト等の介護補助機器の導入を補助するなど支援するべきだと考えますが、区の姿勢を伺います。

(区長)

福祉機器については、介護人材の確保・定着の観点から、介護補助機器の有効性や導入のあり方について、区内の特別養護老人ホームの運営法人と既に検討をはじめております。

 

<2-6-3在宅における福祉機器の活用支援について>

在宅でも、リフトの導入や適切な車いすへのシーティングなど、利用者に合うよう、補助具に関し専門的な指導できる人材の配置が求められますが、国が求めるリハビリテーション専門職等を活かした自立支援に資する取り組みとなると考えますが、いかがでしょうか。

(区長)

介護保険の福祉用具事業者には、福祉用具専門相談員の配置が義務付けられており、既に、利用者の状態に合った福祉用具の選定や利用方法についての説明等、自立支援に向けた取り組みが行われております。

 

<2-6-4医療施設の在宅支援について>

また、老健などの医療施設は、在宅を支援するため、リハビリテーション専門職や看護職などの専門性を発揮し、積極的な地域還元が求められていますが、区としては、どのように働きかけるのでしょうか。

(区長)

医療施設等の専門性の地域還元については、地域包括ケアシステムの構築にあたり、施設職員の専門性の活用方法も含め、「高齢者・介護保険事業計画」の改定の際に、検討してまいります。

 

次に権利擁護について伺います。

<3.権利擁護について>

<3-1NPOによる法人後見について>

先月、厚生委員会で視察しました岡山市の障害者福祉施設の旭川荘では、施設利用者の親の会がNPO法人を立ち上げて、法人後見を行っていました。

まず、文京区における障害者の成年後見制度の利用状況をどのように把握しているのか。伺います。

(区長)

障害者の成年後見制度については、家庭裁判所が所管しており、区に情報提供はないため、利用状況の件数等は不明ですが、相談等を通して個別の状況について把握しております。

なお、区長申立てについての利用実績はありません。

 

<法人後見について>

親族後見を始めとして個人後見では、後見人の高齢化や不正行為を防ぐことなどの課題があり、法人による後見が必要だと考えますが、文京区としては、どのような認識を持っているのか、伺います。

(区長)

法人後見については、親族や専門家による後見が難しいなどの場合には、必要性が高いと考えております。

区としては、法人後見を行っている社会福祉協議会を、引き続き、支援してまいります。

 

<NPOへの支援について>

また、視察をした法人では、利用者を支援だけではなく、家族も支援するとの考え方から、親の会が立ち上げた後見法人に対して会議の場所の提供の他、事務の手伝いをしているとのことでしたが、区としてもNPO支援を考える必要があるのではないでしょうか。伺います。

(区長)

NPO法人等に対しては、ボランティア・市民活動センターでの活動室の貸し出し等のほか、権利擁護センターでの後見人に対する相談、手続きの支援等を行っております。

 

<3-2日常的な見守り体制について>

横浜市では、身近な人が障害者の見守りを行う障害者後見的支援制度が、平成22年度から実施されています。利用及び支援者は毎年伸びており、制度として定着しかつ実績をあげています。また、昨年8月に開催された制度の検証委員会では、「寄り添うことで、当事者の願いにきちんと応えており、地域で関心が高いなど、仕組みが全体として成熟している」と評価され、順調に運営されていることが伺えました。障害を持つ方が自分らしく暮らせるためにも、身近な見守りを組織的に行える同様の仕組み作りを検討すべきだと考えますがいかがでしょうか。

(区長)

障害者の見守りについては、これまでも、住み慣れた地域で豊かな生活が送れるように、様々な施策を実施してまいりましたが、身近な見守りの仕組みについては、障害者(児)実態・意向調査の結果も踏まえ、「障害者計画」の改定の際に検討してまいります。

 

次に学校・福祉施設の整備のあり方について伺います。

<4.今後の学校・福祉施設の整備のあり方について>

 

<4-1公共施設等の総合的かつ計画的な管理による老朽化対策等の推進>

来年度以降も、大規模な施設の新築が目白押しに進められ、区有施設の改築や、誠之及び明化小学校の改築基本構想の策定やその他の学校の改修の実施設計が行われます。

 

<4-1-1「公共施設等総合管理計画」の策定について>

今後、それぞれの施設の老朽化への対応等が求められてきますが、新規及び既存施設の効果的な整備、優先順位の明確化が必要で、国からは、「公共施設等総合管理計画」の策定をすることが求められていますが、同計画の策定をどのように行うのか。

(区長)

「公共施設等総合管理計画」については、国から策定にあたっての指針案の概要が示されている段階であり、人口減少のなか、長期的な視点を持って、施設の更新・統廃合などを計画的に行い、公共施設等の最適な配置を実現することが目的とされております。

一方、本区では、現在、人口増への対応が課題となっていることや、「行財政改革推進計画」のなかで、公有地及び区有施設の有効活用について、その考え方及び方向性を整理し、対応してきております。

また、区有施設の維持保全については、「中長期改修計画」のなかで、建築物の現状並びに構造及び設備面に着目した改修の優先順位をデータ化し、適宜対応しております。

こうしたことから、計画策定については、その必要性や策定時期を含めて、今後通知される国の指針などを踏まえ検討してまいります。

 

<財政面での裏付けについて>

また、償却費用をどの程度積立を行うかなど公会計で費用面での把握を行い施設の適正管理をすることが求められていますが、どのように取り組むのでしょうか。

(区長)

なお、公共施設の改修の財政面での裏付けについては、引き続き、「基本構想実施計画」及び単年度の予算編成のなかで対応してまいります。

 

 

<4-1-2学校の整備について>

改築をしない学校は、26年度に改修の実施計画を策定しますが、各学校のPTAや校長会からはどのような声が上がっているのでしょうか。

また、実施計画の策定に利用者である子どもの参画はどのように行っていくのでしょうか。

色彩や照明など建物の物理的な環境が、人の活動や気分に与える影響は大きいものがあると考えますが、どのように評価しているのか、壁の塗り替えやトイレなどの水回りの整備など、どの程度の水準まで行おうとしているのか。

そして、こうしたことは、学校のみならず、子どもや障害者の福祉施設においても求められてくると思いますが、利用者の参画のもと、区有施設としての快適性の水準を設定し、順次改善を行っていくべきですが、お考えをお聞かせください。

 

(教育長)

学校施設の整備についてのお尋ねですが、

各学校からは、特別教室の冷房化、教室・廊下の床材の改修、水回りの設備改修などの要望が寄せられております。

快適性向上に係る整備内容につきましては、各校の状況を踏まえ、改修計画を作成し、整備を進めてまいります。

なお、ご指摘の、子どもの参画につきましては、整備要望をまとめる中で、適切に判断していくものと考えます。

また、採光や照明などにつきましては、学校環境衛生基準を満たしておりますが、色彩などの環境整備につきましても、子どもたちの教育環境に一定の影響を与えるものと考えておりますので、適切に対応してまいります。

 

(区長)

区有施設としての水準の設定については、これまでも、改築・改修工事などの際に、それぞれの施設の実状や利用者の要望を踏まえ、安全性や利便性、快適性の向上に取り組んでまいりました。

今後も、利用者の満足度が、より高まるよう取り組んでまいります。

 

<4-2多世代共生の福祉について>

厚生委員会で、桑名市の子どもとお年寄りが世代間で共生するグループホームを視察しましたが、高齢者の能力が引き出され、認知症の周辺症状の改善が図られ、子どもたちにもよい影響を与えていることを学ぶことができました。経営面でも、良い取り組みをすると介護の手間が省け、職員の負担軽減となるなど効果もあるとのことでした。一方、こうした複合型の施策を実施する上では、小規模サービスへの支援の拡充や消防・建築部局との連携など縦割り制度の調整が必要であり、意図的・継続的な仕掛けが必要であると教えていただきました。

文京区の幼・老合築の施設では、イベントなど一時的な交流は行なわれていますが、日常的に生活をともにし、相乗効果を生み出しているところは、限られているように思えます。もともと合築したからには相乗効果を狙っていたのだと思いますので、当初考えていた効果を発揮できるよう研究すべきではないかと考えますが、どのように取り組むのか。伺います。

 

(区長)

複合化施設における多世代交流については、施設本来の設置目的に沿った活用を一層推進するとともに、多くの区民が、より有効に施設を利用することで、地域の活性化が図られるよう、区有施設については、改築時に、複合化の検討を進めており、多世代交流についても、可能な範囲で取り組んでおります。

 

<4-3公営住宅のあり方について>

次に公営住宅のあり方について伺います。

新福祉センターは、障害者が地域での居住へ移行していくための施設とされており、将来的には、区民住宅や公営住宅へ入居を進めていく必要があります。また、公的住宅の入居者の高齢化が進み、見守りなど対応が求められています。そうした中で、都内の15の自治体は、東京都住宅供給公社と、居住者の安否確認の際に迅速に情報収集や入室確認などが行えるように協定を結び、連携強化を図っています。文京区では、指定管理で民間企業に管理を任せることになりましたが、安否確認など配慮が必要な人へ十分な対応ができるようになっているのでしょうか。伺います。

また、シルバーピアに配置されているワーデンを、そうした公的住宅に対して派遣するなど訪問型のワーデンが求められますがいかがでしょうか。

(区長)

区営住宅の高齢者等の安否確認などについては、基本協定等に基づき、指定管理者が適切に行ってまいります。

したがいまして、シルバーピアに配置されているワーデンを派遣することは考えておりません。

 

<5.いよいよ始動の男女平等参画推進条例>

次に男女平等参画推進条例についてお伺いします。

昨年11月から施行された文京区男女平等参画推進条例は、「文の京」である区の特徴を反映し、セクシャルマイノリティを含め、性差別を禁止するなど国際的な動向も踏まえた内容となっており、区民からの期待も高いものです。施行にあたっていくつかご質問をいたします。

 

<5-1苦情申し立て体制の整備について>

まず、特徴の一つである苦情申し立て体制についてですが、区に対する苦情があった場合について、推進会議が受理機関として位置づけられ、審議にあたっては、そうした分野に明るい弁護士が委員として嘱託されるとされていますが、どのような体制で対応し、また対応する流れはどのようになるのか規定を策定していくのか。お聞かせください。

(区長)

苦情申立てについては、男女平等参画推進条例第15条において、区が必要に応じて男女平等参画推進会議の意見を聴き、処理することなど、苦情申立てと、その処理にあたっての基本的枠組みを示しております。

また、区の啓発誌である「パートナー」において、具体的処理体制及び対応の流れの解説・周知を行っているところです。

利用しやすい一定の書式については、現在、策定準備を進めております。

 

<セクシャルマイノリティの苦情受付と研修について>

また、セクシャルマイノリティに関する苦情も受け付けられることを明示することやそうした方々が安心して相談できるように窓口の職員や推進会議の委員に対する研修をどのように行うのか伺います。

(区長)

なお、苦情申立て制度は、一般的な苦情を受け付けるものではなく、セクシュアル・マイノリティに限らず、申立人が受けた性別に起因する人権侵害について受理するものです。

推進会議においても、かかる見識を有した学識経験者から教示をいただくとともに、職員及び関係機関を対象に男女平等参画推進に係る研修を実施しており、今後も、あらゆる場面で更なる理解の浸透を図ってまいります。

 

<5-2DV法改正への対応>

次にドメスティックバイオレンスに関して伺います。男性の被害者への対応はどのような現状にあるのか伺います。男性が入所できるシェルターや相談窓口の整備状況はどのようになっているのでしょうか。男性においても保護の必要性があるにも関わらず、シェルター等が整備させていない現状があると聞いていますが、文京区としてはどのように取り組んでいくのでしょうか。

(区長)

ドメスティックバイオレンスについてですが、現在、男性被害者においては、警察等との連携及び生活保護の枠組みの中で対応しており、都内の自治体において、男性専用のシェルターは整備されておりません。

今後の広域的な研究課題であると認識しております。

なお、相談については、男女平等センターにおいて、男性も対象として受け付けております。

 

<同性間の共同生活への適用について>

また、先の法改正では、結婚している相手だけではなく、「生活の本拠を共にする交際相手」に対しても準用することになりましたが、法律婚の要素である「届出」「婚姻意志」「共同生活」のうち、「婚姻意志」も認められない、「共同生活」のみを送っている場合を想定しているとのことです。同性間での共同生活においても、同じ取り扱いとなると考えて良いのでしょうか見解を伺います。

(区長)

同性間に係る法解釈等についてですが、配偶者暴力防止法の解釈は、国及び裁判所によることとなります。

 

<5-3セクシャルマイノリティへの対応について>

また、公営住宅の同居親族要件について、同性間カップルの排除になっていると国連の人権委員会の見解や日弁連からのレポートで同性間カップルも入居できるように改善が求められていますが、区の条例で、同居親族要件に同性間カップルが含まれていないため、改善できていません。区条例の改正を含めて対応すべきではないでしょうか。

(区長)

文京区営住宅条例の改正については、国等の動向を引き続き注視してまいります。

 

<推進会議の対応について>

もし、条例改正を行わないとした場合、区の対応について差別であると苦情を申し立てると、推進会議において受理して審議をして「処理」してもらえるのか。

また、推進会議の対応に不服がある場合は、どのようになるのか伺います。

(区長)

当該条例改正を行わない場合の苦情について、個別具体の処理方針等を、私がお答えすべきものではありません。

推進会議において、憲法、法律、条例等に鑑み、適正な意見具申がされるものと考えております。

なお、推進会議の対応に不服がある場合については、その内容次第ですが、裁判所への訴訟提起等、司法制度を利用することになります。

 

 

<5-4事実婚に対して認められている福利厚生等について>

厚生労働省は、昨年末に男女雇用機会均等法施行規則等を改正し、例えば、職場におけるセクシュアル・ハラスメントでは、同性に対するものも含まれると明示しました。文京区でも対応が求められています。

(区長)

セクシュアル・ハラスメントの防止については、本区の規程では、その対象を異性に限っているものではなく、同性に対しても同様に対応できるものとなっております。

 

<同性間への対応について>

また、文京区において、事実婚に対して認められている福祉厚生についてはどのようなものがあるのでしょうか。もし、セクシャルマイノリティの職員が、事実婚に対して認められている福利厚生を利用したいとした場合認められるのでしょうか。伺います。

野村證券グループや資生堂、ソニー、IBMなど民間企業においても、倫理規定に性的指向、性同一性を差別しないことを明記しています。グーグルやIBMなどではダイバシティが尊重されることから、社内制度を見直し、結婚祝い金制度等を改定し、法律にもとづく婚姻に限らず、同性婚を含めた事実婚も対象としています。区役所内でも検討を初めてはどうでしょうか。伺います。

(区長)

事実婚についての福利厚生の適用等については、法律婚と差異なく対応しているところですが、同性婚を含めた具体的な対応については定めておりません。

今後、法令等の解釈を含め、社会情勢や他団体の動向等を注視してまいります。