平成27年11月定例会 一般質問と区長と教育長の回答(全文)

平成27年11月26日 一般質問(ぶんきょう未来 前田くにひろ)

 私、前田くにひろは、5期目最初の一般質問をいたします。
 16年前議員になって初めての一般質問では、「社会的弱者や少数者など、今まで声を出せなかった人たちである、子ども、若い人、女性、高齢者、障害者などの声を積極的に拾い上げる努力を、私たち議会を始めとして、行政も区民も取り組んでいく必要がある。」と訴えかけました。

 今回の質問も、初心を忘れず、
1.セクシャルマイノリティの権利保障、
2.子どもの権利保障、
3.障害者への権利保障、
4.交通バリアフリー基本構想、
5.保育・福祉人材確保策、
6.住宅政策について

の大きく分けて6項目について伺います。

1.同性パートナーシップへの権利保障

 まず、同性パートナーシップへの権利保障について伺います。

1-1国際的な人権問題について
【前田】
 2012年にパン・ギムン国連事務総長が、
「性的指向や性同一性は、扱いが難しい、微妙な問題であると言う人たちがいます。その気持ちはわかります。しかし、私は声をあげることを学びました。それは生命にかかわる問題だからです。あらゆる場所で、あらゆる人の権利を守ることが、国連憲章と世界人権宣言によって私たちに課された責務だからです」と歴史的なスピーチを行い、世界中の国々にレズビアン・ゲイ・バイセクシャル・トランスジェンダーの人々への差別をなく¬すよう呼びかけました。現在、国連は、LGBTの人権保障について、人権の重要課題として取り上げています。
 国連機関が存在する文京区として、国連と連携して、いかに取り組むのでしょうか。伺います。

【区長】
前田議員のご質問にお答えいたします。
最初に、同性パートナーシップへの権利保障に関するご質問にお答えします。
まず、国連との連携についてのお尋ねですが、
本区は、「文京区男女平等参画推進条例」を制定しております。その中で、国際理解を基本的理念として掲げており、今後、国連の理念を踏まえつつ、自治体として自立的な判断をした上で、必要に応じ連携して、人権にかかるメッセージを発信してまいります。

1-2同性カップルへの法的保障について
【前田】
  今月5日から渋谷区と世田谷区で、「同性パートナーシップ証明」制度が施行されました。オランダなど同性婚が認められている国では、国よりもまずは、自治体が同性パートナーを結婚に相当する関係と認めていました。アジアでも台湾の台北市と高雄市では、パートナーシップの登録制度が始まっています。日本も今その流れの中にいます。
 両区に先駆けて、性的少数者への差別を禁止する文京区男女平等推進条例を全会一致で制定した文京区は、フロントランナーとして、その内容を実現する責務があります。
 長年連れ添った同性のパートナーを亡くした際、葬儀へ参列ができず、配偶者であれば受け取れたはずの死亡保険金を受け取れなかったなど、つらい思いをされた方のお話を伺いました。
 第一生命や日本生命は、渋谷区の「パートナーシップ証明書」があれば、生命保険金の受取人に同性のパートナーを指定できるようにしました。また、KDDIは、自治体による公的証明書があれば、家族割を適用すると発表しました。
 同性カップル証明に関して、民間企業の動きがありますが、渋谷区民であれば保障された権利が、文京区民には保障されていません。区長の見解を伺います。

【区長】
次に、同性カップル証明についてのお尋ねですが、

本区が制定した男女平等参画推進条例は、平成25年に区議会において、全議員に賛成をいただき成立したものです。
その中で、性的マイノリティへの差別禁止を謳っており、条例制定後は、職員や地域に対し、様々な啓発を着実に行っているところです。
差別禁止の観点から、同性カップル証明制度の実効性については、事例及び男女平等参画推進会議での議論も踏まえて、本区の判断に向けて研究している段階だと考えております。

1-3旅館業法について
【前田】
 また、豊島区の宿泊施設の半数以上が、同性同士が同室で宿泊することを違法に拒否している実態が明らかになり、豊島区が指導することになりました。文京区の実態はどうでしょうか、もし拒否している場合は、指導されるのでしょうか。

【区長】
次に、宿泊施設への同性同士の宿泊についてのお尋ねですが、

 本区では、過去に同性同士の宿泊拒否の事例があり、その際には、営業者に対して法令遵守の観点から指導をしております。
なお、宿泊施設に対しては、定期的に、一斉立入検査等を実施しており、近年は、このような事例の報告はございません。

1-4結婚祝い金について
【前田】
 世田谷区では、区職員互助会が同性カップルに結婚祝い金相当の「お祝い金」を支給することになりました。文京区職員互助会に対して、「お祝い金」を平等に支給し差別をなくす指導を行い、区として模範を示すべきではないでしょうか。

【区長】
次に、区職員互助会の同性カップルへの「お祝い金」支給要件についてのお尋ねですが、
同性婚に係る法令等の解釈、社会情勢や他団体の動向などを注視するとともに、婚姻に準ずる生活実態の把握方法等を含め、研究し、区職員互助会に情報提供してまいります。

1-5事実婚で認められている制度等について
【前田】
 また、事実婚でも法律婚と同じように利用できる公営住宅制度などがありますが、事実婚で認められる根拠は何でしょうか。
 文京区が条例や規定で定められるサービスや制度を同性カップルが利用できるようにするためには、どのような根拠が必要だとお考えでしょうか。渋谷区のように条例で定め、当事者に公正証書の作成などを求める必要があるか、世田谷区のように区長による要綱で定め、「パートナーシップ宣誓書」を受け付ける仕組みでもいいのか、住民票の続柄記載でもいいのか、区長のご見解を伺います。

【区長】
次に、公営住宅制度において、事実婚が認められている根拠についてのお尋ねですが、
区営住宅条例においては、「親族」を、その使用者の資格としており、親族には、「婚姻の届出をしていないが事実上婚姻関係と同様の事情にある者を含む」と定めております。
また、公営住宅等の入居審査において、事実婚については、住民票の提示を求めて確認を行っております。

次に、同性カップルが区のサービスや制度を利用できる根拠についてのお尋ねですが、
民法で定める婚姻と同様のサービスを、事実婚や同性パートナーが受けることについては、現行制度下において、すべてが保障されているものではありません。
本区としては、個々のサービスにおいて、人権尊重の観点から、LGBTの方々が差別的な取扱いをされないよう、自治体として、可能な限りの運用改善を行っております。

1-6保護者への取組みについて
【前田】
 LGBTへの差別を解消するために、関係図書の導入など学校教育で取り組むとされましたが、児童生徒への支援はもとより周辺の人への啓発も重要であり、保護者への啓発活動も重要なことです。教育委員会としてはどのように取り組むのか伺います。

【教育長】
教育に関するご質問にお答えします。
はじめに、LGBTの方々に対する差別の解消に向けた啓発活動についてのお尋ねですが、
現在、教育委員会といたしましては、LGBTに関する悩みを抱えた児童・生徒への支援を第一に考え、学校における組織的な相談体制づくりを進めるため、計画的に教員に対する研修を実施しております。
保護者を含めた地域の皆様への啓発については、学校の体制を整えた上で、区長部局と緊密な連携を図りながら検討してまいります。

1-6-1教員への支援と当事者支援団体との連携について
【前田】
 教員が保護者向けに説明するためのマニュアル作りや冊子の作成を行うべきではないでしょうか。
 また、その際に当事者支援団体との連携をどのように行うのか伺います。

【教育長】
次に、教員が保護者に説明するためのマニュアル等の作成や支援団体との連携についてのお尋ねですが、
現在、教員に対する理解啓発を計画的に進めており、現時点で、教育委員会として、保護者向けに説明するためのマニュアルや冊子を作成する考えはありませんが、本区における児童・生徒の実態やニーズに即して、区長部局と緊密に連携して、今後の啓発活動の在り方について検討を進めてまいります。

2.こども

次に、子どもの権利保障について伺います。

2-1福祉連携担当官制度の設置について
【前田】
 障害児の支援にあたっては、母子保健では、保健衛生部、育成室や保育園への通所は、男女協働子育て支援部、幼稚園や区立学校への通学に関しては、教育推進部、移動支援などの障害福祉サービスの利用には、福祉部といった複数の部署にまたがっています。
 現状では、保護者がそれぞれ個別の部署に赴いて、説明を行いサービスが利用できるように交渉しなければなりません。基幹型相談支援センターなどでも、総合的な相談支援を受けることはできますが、政策の立案や部間での調整など、区行政内部のことに関わることはできません。
 子ども関連組織の再編にあたっては、障害児の生活へ「切れ目のない支援」を行うためにも、障害児の施策の立案や実施・調整にあたって、部を超えた連携や統合・調整が必要です。そのため、部をまたがって連携・調整を行う「専門官」を設置することを求めますが、いかがでしょうか。

【区長】
次に、子ども関連の組織や施策に関するご質問にお答えします。
まず、子ども部門組織の再編に伴う専門官の設置についてのお尋ねですが、
障害児への支援にあたっては、これまでも、関係機関同士が連携・調整を図ることにより、障害児の個々の状態やニーズに合った切れ目のない支援を実施してまいりました。
障害児福祉関連サービスの提供にあたっては、迅速性・効率性を損なうことなく、より利用しやすい体制となるよう、関係各部間調整等の役割を担う職員の配置も含め、工夫したいと考えております。

2-2社会的養護への支援について 
【前田】
 次に児童養護について伺います。社会的養護を施設処遇から家庭的な処遇へと転換していく流れがありますが、社会的養護が必要なこどもを地域でいかに支援してくかが求められています。区内には、児童養護施設がないため、区民である児童は区外へと措置されています。区民で里親になる人や、ファミリーホームやフレンドホームの区内設置への支援はどのように考えているのでしょうか。

【区長】
次に、子どもの社会的養護についてのお尋ねですが、
これまでも区では、社会的養護に取り組む区内のNPO団体等との意見交換や連携を行ってきております。
また、社会的養護推進の見地から、養育家庭体験発表会を行い、里親制度等の区民への周知を図っております。
 本年度は、里親の立場だけでなく、里子経験者もパネリストにしたシンポジウムを行い、課題を含めての意見交換を行ったところです。
今後とも、子ども一人ひとりの安全・安心の観点から社会的養護の取り組みを推進してまいります。
なお、現行制度上は、区の権限が限られており、権限拡充の観点から、都と協議を行っております。

【前田】
 また、養護施設を退所する若者への支援が求められています。退所者は、住居をはじめ、学費や生活費などすべてを1人で賄うなど、学業と就労を両立しながら、心身ともに張り詰めた生活をしています。このような状況の中、体調を崩し、それをきっかけに、就労が困難となり収入が途絶え、住居を失ったり、大学などを中途退学せざるを得ない若者も多く、大学などへの進学者のうちの約8割が中途退学している自治体もあります。
 このため、世田谷区では、シルバーピアのワーデン室の空きを活用して、大学などへの進学者は卒業まで、就職者は2年間、家賃を月1万円程度で住居を提供する児童養護施設退所者への居住支援を来年度から行うとのことです。文京区においても同様な制度を検討すべきです。

【区長】
次に、児童養護施設退所者等への居住支援についてのお尋ねですが、
現在、シルバーピアの旧ワーデン室は、ライフサポートアドバイザーが、高齢者等の入居者の生活相談や指導を行う部屋として、また、関係機関との打ち合わせスペースや休憩室として、有効に活用しております。
なお、児童養護施設退所者等への居住支援については、広域的な検討課題として認識しております。

2-3こどもオンブズマン制度の創設について
2-3-1スクールソーシャルワーカーをこどもソーシャルワーカーへ
【前田】
 子どもを支える役割としてスクールソーシャルワーカーは4名に増員がなされ活躍していますが、教育センターの所管のため、ともすると不登校解消が活動の主眼となってしまいます。登校への障壁を解消することも大切ですが、子どもの学習する権利を保障するためには、学校以外での学びの場も保障されてしかるべきです。子どもの最善の利益を実現する上で、大人の都合ではなく子どもの利益を代弁できる役割が必要です。
 ソーシャルワークでは、個別相談支援だけではなく、たくさんの相談があれば、その地域で多い相談の背景にある課題を解明して、その地域のあり方に働きかけていくことや、制度そのもののあり方を議論する取組であるソーシャルアクションも必要です。スクールソーシャルワーカーがソーシャルワーカーとして学校を超えた活動ができる第3者的な立場に立てるような位置づけが必要です。学校のためのソーシャルワーカーではなく、こどものためのソーシャルワーカーとなるように、位置づけを見直す必要がありますが、どのように考えますか。

2-2-2子どもオンブズマン制度の導入について
【前田】
 そして、そうしたソーシャルワーク活動を支えるための仕組みとして、子どもオンブズパーソンを設置し、ソーシャルワーカーを配置すべきだと考えます。個人の問題を受け止めつつ、社会の問題として制度改善に向けて提言し、予防的な措置をとることを求める存在として、文京区においても、「子どもオンブズパーソン」の設置について研究を初めてはどうか伺います。

【教育長】
次に、スクールソーシャルワーカー及び「子どもオンブズパーソン」についてのお尋ねですが、
スクールソーシャルワーカーは、児童・生徒の学校生活への適応支援等を目的として配置しており、国及び都の補助事業ともなっております。
また、今年度、4名体制にしたことに合わせ、全校訪問を開始し、学校との情報共有を進めたことで、児童・生徒と関係機関との結びつきを円滑にするなどの効果をあげております。
したがいまして、現時点でスクールソーシャルワーカーの位置づけを見直す考えはありませんが、人権擁護を含む子どもの最善の利益を守る様々な施策については、引き続き研究を進めてまいります。

2-2-3こどもの居場所づくりについて
【前田】
 また、貧困などの生活上の困難を抱える家庭などの子どもを支える活動として、子どもが地域の人と食事をともにする「子ども食堂」などの動きが区内でも出てきています。そうした場は、子どもが歩いていける小学校単位くらいにつくる必要があり、まだまだ足りません。場所の確保や周知など担い手を支援する必要がありますが、どのように取り組むのでしょうか。

【区長】
次に、子どもの居場所づくりについてのお尋ねですが、
経済的に厳しい状況に置かれている、ひとり親家庭等の子どもには、生活支援や学習支援が必要であると考えております。そのため、生活困窮者自立支援法に基づく学習支援事業に取り組むとともに、居場所の提供などの支援も併せて行っているところです。
また、全国に広まってきている「子ども食堂」については、区内各所においても地域の団体などが、共助として取り組んでおります。  
 この取り組みには、適宜、社会福祉協議会がサポートするなど支援をしているところですが、今後も、貧困、ひとり親、被虐待児への支援といった観点から、必要な情報収集に努めるとともに、関連団体と連携を図ってまいります。

3.障害者について

次に、障害者施策について伺います。

3-1障害者差別解消条例を制定することについての弊害について
【前田】
 来年度の障害者差別解消法施行を目指して、文京区においては、現在差別事例を収集しているところですが、先日厚生委員会で視察をした新潟市では、平成23年6月から差別解消のための条例の検討を始め、先月条例が公布され、来年度から施行されるように取り組んできました。
 「民間事業者に対する合理的配慮の不提供について、努力義務ではなく、法的義務として禁止する」また「社会的障壁の除去を求めている場合」だけではなく、「社会的障壁の除去を必要としている場合であって、そのことを認識しうるとき」とするなど国の法律よりも進んだ規定が制定されています。また、事後対応策として、相談機関と調整委員会の設置、条例の実効性確保のため、「助言・あっせん、勧告、公表」を規定しています。
 もし、こうした内容を含む条例を文京区においても制定した場合、どのような弊害(へいがい)があるのでしょうか。伺います。ファーストワンも大切ですが、よいことはどんどんマネていこうという精神も大事だと思いますがいかがでしょうか。

3-3研究会の立ち上げと条例制定について
【前田】
 今収集している事例をもとに、区民参加で、検討会を立上げ、差別の解消に向けた具体的な取組みについて検討を行い、「差別解消条例」を制定し、文京区として障害者への差別を解消するという意思表明を行い、規範性を示すべきだと考えますが区長のお考えを聞かせ下さい。

【区長】
次に、障害者の差別解消に関するご質問にお答えします。
まず、障害者差別解消条例の制定についてのお尋ねですが、
障害者差別解消については、障害者権利条約や障害者差別解消法によって、法的根拠が整えられております。本区での条例制定については、それらを踏まえて、必要性を十分検討した上で判断すべきものと考えております。
また、これまで収集した差別や合理的配慮に関する事例については、区民や関係機関が共有し、事案解決に向けた取り組みを検討していくことが必要であると考えております。そうした検討の場として、「障害者差別解消支援地域協議会」を設置し、事例検討を踏まえ、幅広い層への共通認識を深めながら、議論してまいります。

3-4法施行に向けた体制の整備について
【前田】
 また、新潟市では、基幹型相談支援センター4箇所に1名づつ、差別解消ための相談窓口を担当する専門の相談員を配置するとのことです。文京区においても、来年度から法施行に備え、人員を増やすなど体制を強化する必要があるのではないでしょうか。また相談機関と調整委員会の設置など事後対応策にどのように取り組むのか伺います。

【区長】
次に、差別解消のための相談窓口等のお尋ねですが、
国の基本方針では、相談窓口は既存の機関等の活用・充実を図ることとしており、本区でも、相談窓口や障害者基幹相談支援センター等の活用・充実を想定しております。
第三者機関等の設置については、「障害者差別解消支援地域協議会」や「障害者差別解消推進本部」等において、その必要性について検討してまいります。

4.交通バリアフリー基本構想について
 次に、交通バリアフリー基本構想について伺います。

4-1素案の策定について
【前田】
 バリアフリー基本構想については、今年度から検討が進められ、素案がまとまりました。
 策定過程での住民参加についてですが、区民アンケート調査や高齢者・障害者への意向調査結果の活用が不十分です。協議会委員の選任にあたっても、教育部門や子育て世代を代表する委員が選定されていないなど課題はなかったでしょうか。また、ワークショップや懇談会の開催にあたっても、参加者の範囲やルートの拡大なども求められます。
 また、素案の策定にあたっては、決定過程や決定理由をより明確にすべきです。例えば、「生活関連施設」の選定にあっては、障害者施設や保育園など子育て関連施設の選考規準が明確になっておらず、「生活関連経路」の設定についても、複数方向からのアクセス動線が確保されるように配慮されたネットワークになるように見直しが必要です。
 そして、「点から面へ、みんなの心へ、バリアフリーの輪を広げよう」とのスローガンを掲げられましたが、実現の検証ができるように可能な限り具体的な目標を設定することが重要でありますので、今後検討に期待しています。また、複数地区の策定する順番を決めるにあたっても、客観的な指標やデータを示し、どのような考え方で優先順位をつけたのか明確にすべきです。
 このように、法が求めている趣旨に沿った計画となるように、区民の意見を反映した計画となるように、すべきだと考えますが、いかがでしょうか。

【区長】
次に、「バリアフリー基本構想」に関するご質問にお答えします。
まず、「バリアフリー基本構想素案」への住民参加等についてのお尋ねですが、
区民へのアンケート調査及び意向調査の結果は、協議資料として十分な活用を行っております。
また、協議会委員の選任につきましては、バリアフリー法の趣旨に沿って選任しております。
素案作成の際の重点整備地区の選定、ワークショップや懇談会の開催、生活関連施設等の選定、地区別計画の策定予定などについても、すべて協議会にお諮りしたうえで決定していることから、法の求める区民意見を反映した計画として作成しております。

4-2来年度以降の計画策定について
【前田】
 また、スパイラルアップ、つまり、より良きを目指し、常に向上していくことが法の精神であり、来年度以降の地区別の基本構想策定にあたっては、今年度の実績を踏まえ、検討メンバーの構成や検討過程について、より改善されるのでしょうか。
 そして、内容的にも法が求める趣旨を理解した検討を進め、各地区別の基本構想の計画内容の熟度が上がった場合、区全体の基本構想や既定の他の地区別基本構想へ反映や改善されるのか、伺います。

【区長】
次に、来年度以降の地区別計画策定についてのお尋ねですが、
本年度の成果を踏まえ、引き続き協議会を設置し、各地区ごとに、区民委員にご参加いただき、策定していく予定です。
なお、この「バリアフリー基本構想」実現の目標年次は、平成37年度としていることから、その中間年の32年度には、実現度の評価を行ったうえで、必要な見直しを行ってまいります。

4−3福祉センターへのアクセスについて
【前田】
 また、福祉センターへのアクセスについてですが、巻石通りバリアフリー計画が来年度の重点施策に盛り込まれたことを評価しますが、福祉センターを中心に複数ルートが確保されるなど面的に整備されることを求めますがいかがでしょうか。また、基幹型相談支援センターは、シビックセンターなど区全体からアクセスがしやすいところへの移転も検討すべきです。

【区長】
次に、福祉センターへのアクセスについてのお尋ねですが、
 福祉センター周辺の面的なバリアフリー整備につきましては、「バリアフリー基本構想」の地区別計画の中で検討していく予定です。
なお、重点施策に盛り込みました「巻石通りバリアフリー計画」は、地形の高低差が大きい巻石通りについて、地区別計画に先立ち検討を進めるものです。
また、障害者基幹相談支援センターは、入所施設や短期入所施設等と連携し、緊急時受入れを始めとする地域生活支援の充実を図るため、文京総合福祉センター内に設置いたしました。
相談対応については、窓口だけではなくアウトリーチによる訪問相談を行っており、今後も利便性の向上に配慮してまいります。

4-4トイレについて
【前田】
 また、外出を支えるためには、外出先でのトイレの問題は大きな課題です。世田谷区では、ユニバーサルデザイン推進計画の中で、「だれでも気軽に使えるトイレは、500m以内の設置をめざす。ベビーチェアー、おむつ替え用ベッドの設置を推進する。トイレマップを区民や活動団体と連携して作成する。トイレの設備内容、場所、利用時間等について情報提供を充実する」など、具体的な目標を掲げてトイレの整備計画を策定しています。トイレに関しては、セクシャリティへの配慮、バリアフリー、女性の活躍、環境保全、防災の観点からもさまざまな課題が提起されていますので、文京区としてのトイレのあり方を検討し、区民参画でトイレに関する整備計画を策定し、整備をすすめるように求めますがいかがでしょうか。

【区長】
次に、トイレの整備についてのお尋ねですが、
高齢者や障害者はもとより、親子連れや外国人にも配慮したトイレへの改修の必要性も考慮し、様々なご意見を取り入れながら、誰もが使いやすいトイレの整備に努めてまいります。

4-5生涯学習におけるアクセスの保障について
【前田】
 障害者の生涯学習へのアクセスを確保のために、アカデミー事業において、遺跡巡りやまち歩きの実施あたり、車いすのトイレの確保など配慮を行うことや障害者などの移動に資する「バリアフリーマップ」を作成するための講座を開催すべきであり、また、新国立劇場のように主催公演に障害者割引や付き添い人を無料とする制度を設ける必要があるのではないでしょうか。

【区長】
次に、生涯学習事業におけるバリアフリー対応のお尋ねですが、
史跡巡りの実施にあたっては、公共施設のトイレを確保しているところですが、区有施設を含め一部未対応の施設があることは、課題として認識しており、区有施設については順次整備を検討してまいります。
また、障害者の参加機会を拡充するための、文化芸術事業での入場料割引制度の導入やバリアフリーに関する講座の実施などにつきましては、「バリアフリー基本構想」策定後、指定管理者とも協議の上、具体策を検討してまいります。

5.保育・福祉人材確保について

次に、保育・福祉人材確保について伺います。

5-1災害時の福祉人材確保について
【前田】
 税金と保険料から支弁される介護報酬などの福祉への歳出を区内で回していくには、保育や福祉は、人件費が大半であるため、職員を区内に居住してもらい文京区の納税者になってもらうとともに、地域の消費を担う生活者になってもらう必要があります。
 また、長時間の通勤では夜勤などの激務をこなす弊害になります。
 今後地域ケアを展開するためにも、区内に居住すれば、区内の実情がよく分かります。
 より効果的に人材を活用することができます。
 特に、災害時の福祉避難所を開設するための人員は確保できているのでしょうか、
区外に居住していては、福祉施設の職員が帰宅及び出勤困難者になります。
また、他自治体との連携はどのように考えているのでしょうか、ご認識を伺います。

【区長】
次に、保育や福祉の人材確保についてのご質問にお答えします。
まず、災害時における福祉避難所の人員確保についてのお尋ねですが、
福祉避難所の設置、運営にあたっての人員確保は、大きな課題と認識しており、介護事業者への住宅費補助を、平成28年度重点施策としたところです。
また、区として、都や東京都社会福祉協議会と連携を図るとともに、他自治体との協力も視野に入れながら、今後、福祉関係事業者との協力体制の構築や専門ボランティアの確保・育成を図ってまいります。

5-2福祉人材の実態把握と検討体制等について
【前田】
 職員の処遇改善は、保険料や利用料につながるため、区民の理解が不可欠です。区民とともに問題点や課題を共有し共に解決策を考えていくためには、検討過程を見えるようにする必要があります。
 介護の職員の実態の把握や保育士への家賃補助のニーズ調査を行っているとのことですが、それぞれの調査はどのような結果となったのでしょうか。
保育・高齢者・障害者福祉人材の区内居住の割合や離職率などの実態を把握した結果と課題や、育成・確保対策の検討結果はいつ示されるのでしょうか、区民に公表すべきです。
また、地域福祉推進協議会に人材確保についての専門の部会を立上げ、議論をするべきです。

【区長】
次に、福祉人材に関する実態把握等についてのお尋ねですが、

区内事業者に対する職員の居住状況や離職率の調査は行っておりませんが、人材確保等の実態については、事業者連絡協議会等を通じて、実情の把握や意見の聴取に努めてきたところであります。平成28年度重点施策としては、特別養護老人ホーム等の職員の住宅費補助や、若年層等への啓発事業など、実効性のある支援策を実施してまいります。

また、介護人材や障害者施設職員等の福祉人材の確保及び育成については、地域福祉推進協議会において、計画毎に分野別部会を設置し、検討を行っていることから、新たに専門部会は設置せず、引き続き各部会において、議論を継続してまいります。

次に、保育士への家賃補助等、育成確保対策についてのお尋ねですが、
保育従事職員用の宿舎借り上げ助成については、事業者に対するニーズ調査結果を踏まえ、本年度より、保育士の定着及び離職防止を目的として実施いたします。
現在、補助金交付要綱を制定し、各事業者からの交付申請を受け付けているところであります。
なお、私立認可保育所における保育士の区内居住の割合については把握しておりませんが、離職率については、概ね20パーセント程度となっております。
また、保育士の人材確保を図るため、本年度から保育士等の処遇改善費用を盛り込んだ額を委託費としておりますが、各事業者から提出される賃金改善計画書を区が確認した上で、改善内容に見合った額を支給しております。

5-4具体的な対策について
【前田】
 今回来年度重点に高齢者福祉職員への家賃補助が盛り込まれましたことを高く評価いたしますが、障害者福祉ではまだですので、同様の取組が求められますがいかがでしょうか。

【区長】
なお、障害者福祉の分野においても、人材の確保は重要な課題であると認識しており、今後、他の取り組みと共に、人材確保策について、検討してまいります。

【前田】
 また、先進的な区では、専用の求人サイト開設や地方での就職相談会開催まで行っているところもあります。
また、資格の取得支援など人材育成支援を行うことが必要であり、区の規模が小さいため実現できないのであれば、近隣他区とも連携をとり協働して行うべきではないでしょうか。

5-5文京区福祉人材バンク
【前田】
 さらに、現在は働いてはいないが資格を持っている潜在化している専門職の再活用化も必要ですし、災害時への備えや、地域包括ケアの担い手にもなってもらうよう、人材をプールする仕組みも必要です。福祉人材バンクや育成機関の設立も求められますが、区長のご見解を伺います。

【区長】
次に福祉人材バンク等の具体的な対策についてのお尋ねですが、
社会福祉協議会主催の「福祉のしごと相談・面接会」を、昨年度に続き本年度も区内で実施しております。
また、求人サイトや潜在化した専門職の再活用や就業のあっせん等については、広域的な課題であることから、都で事業を実施しております。

5-6福祉事業者の経営状況について
【前田】
 旧区立特別養護老人ホームへの対応方針を変更しましたが、その理由は、介護報酬の改定による経営の困難化があると聞いています。
 この問題は、旧区立特養だけの問題ではありません。区内の事業者の経営の実態を把握することが求められます。今年3月の「文京区内中小企業調査事業報告書」によると、医療・福祉では、前年度と比べ経営環境が「悪い」との回答が「やや悪い」とあわせて約4割となっており、経営環境が悪化しています。
 効果のある区内福祉事業者支援を検討するためには、より詳細な経営実態を把握すべきではないでしょうか。経営実態調査はどのように行うのか伺います。

【区長】
次に、区内福祉事業者の経営状況についてのお尋ねですが、
本年4月の介護報酬改定後においても、例年と比較して、事業所の廃止が増加する傾向は見られませんが、引き続き、状況を注視してまいります。
併せて、今後も事業者連絡協議会等を通じて、事業者の実情等の把握に努めてまいります。

5-7.高齢者実態調査について
【前田】
 次期介護保険事業計画を策定するため、来年度「高齢者実態調査」を行いますが、和光市では、「日常生活圏域ニーズ調査」として、個人記名式の調査を行っています。記名式のため未回収者には督促のハガキを送り、民生委員らが訪問回収し9割を超える回収率となっています。個人ごとのリスクに応じたアドバイスを掲載した個人結果表を返送しており、個人が自分の生活習慣を振り返り、気づきを得るきっかけとなっています。また、調査内容は個人台帳化され、地域包括支援センターに引き継がれることになっているため、支援やサービスが必要となるリスクを有する者へのアウトリーチ的な対応が可能となっています。文京区においても、高齢者全員に対して記名式で訪問回収する和光方式に「高齢者実態調査」を転換すべきです。

【区長】
次に、高齢者実態調査についてのお尋ねですが、
高齢者等実態調査については、次期「高齢者・介護保険事業計画」策定に向けて、区民の実情や意向を把握するために実施するものであり、対象者別に無作為抽出調査を行うことを予定しています。
本区におけるアウトリーチ的な対応としては、高齢者あんしん相談センターが、介護保険未利用者のうち、75歳となった方及び75歳以上の転入者に対し、実態把握として戸別訪問を実施しております。
また、区が介護保険未利用者に、「基本チェックリスト」を送付し、回答者全員に結果を送付していますが、介護リスクが見つかった方に対しては、相談センターが介護予防事業の参加勧奨を行っております。
このような相談センターによるアウトリーチの状況については、区と共有するシステムに記録し、データベース管理を行っております。

6.住まいについて
 最後に、住まいについて伺います。

6-1地域福祉計画の改定に向けて
【前田】
 すべての区民に、「住んでいて良かった」、「これからも住み続けたい」と実感していただくことが重要だと区長も述べられていますが、すべての区民の中に低所得者や要介護者は含まれるのでしょうか。高い家賃の壁で、文京区から排除されないように、低所得や要介護となっても区内に住み続けられるように福祉住宅の政策を拡充する必要があります。
 福祉住宅が都市計画部から福祉部へ移管されたこともあり、
 今後福祉住宅施策については、地域福祉推進協議会に
(1)専門的に検討する「住宅部会」を立上げ、(2)専門の学識経験者を専任し、(3)大学との連携や地域貢献をしてもらい、(4)来年度行う各種の実態調査において「住宅関係の実態」が分かるように調査設計・分析や(5)既存の住宅・土地統計調査結果の分析への協力を求め、実態を踏まえた最新の知見を取り込んでより効果的な施策となるように検討をすすめるべきであると考えますが、区長のお考えを伺います。

【区長】
次に、住宅施策に関するご質問にお答えします。
まず、今後の福祉住宅施策についてのお尋ねですが、
住宅確保要配慮者の民間賃貸住宅への円滑な入居の促進を図るため、本年度から、区と不動産関係団体とが連携し、情報共有を行う「住まいの協力店連絡会」を開催いたしました。
今後は、入居者の自立生活継続支援を行う居住支援団体なども構成メンバーとし、情報を関係者間で共有しながら、密接な連携の上で、必要な支援策について協議し、住宅確保要配慮者の居住の安定に取り組んでまいります。

6-2区立住宅の活用について
【前田】
 区立住宅の空き室については、保育や防災住宅としての活用が始まりましたが、福祉労働者向け住宅や障害者向け住宅とするなど政策的な効果があるように活用すべきですが、今後の意向を伺います。

【区長】
次に、区立住宅の活用についてのお尋ねですが、
区立住宅の空き室につきましては、本年7月から庁内に、「区立住宅あり方検討会」を設置し、現在検討しているところでございます。

6-3訪問型サービスの充実について
【前田】
 一軒家に住む一人暮らしの高齢者が施設に入所すると空き家が一つ増えるといわれています。今年度から、サービス付き高齢者住宅について、規制緩和が行われ、日中に職員が常駐する場所が、おおむね500メートル以内の近接地でもよいことになりました。支援の中心となるサービス提供施設の周りの一般の民間賃貸住宅などの空き家を区が借り上げていき、低所得者や障がい者、高齢者などに転貸し、その地域全体がサービス付き住宅となるような戦略も必要なのではないでしょうか。伺います。

【区長】
次に、空き家の活用による高齢者等住宅の確保についてのお尋ねですが、
高齢者等の住宅については、「文京すまいるプロジェクト」の各事業により、住宅の確保や住まい方の支援を行っておりますので、空き家の借り上げ、転貸は考えておりません。

6-4住民参加の施設整備について
【前田】
 また、地域福祉基金を活用して、区民が特養などの用地取得や施設整備に係る費用に出資できるような仕組みをつくることも検討すべきではないでしょうか。

【区長】
次に、住民参加の施設整備についてのお尋ねですが、

区民や個人の資金を募る仕組みとしては、一般的な寄附のほか、住民参加型市場公募債などが挙げられるところです。
本区でも、森鷗外記念館や総合体育館など、区民が広く利用する施設については、住民参加型市場公募債を発行することによって、区民参加を図ってまいりました。
区が、様々な施策を展開していく上で、資金調達の多様化を進めることは必要であると認識しております。
その中で、福祉施設整備費や用地取得費において、区民意識の高揚を図るとともに、一定規模の資金の確保が可能となる効果的な手法について研究してまいります。

6-5在宅と施設の格差を是正することについて
【前田】
 厚生委員会で視察した長岡市のこぶし園では、在宅でも24時間365日いつでも施設にいるのと同じレベルのサービスが受けられる地域展開を行っていました。また、渋谷区の特養では、3ヶ月の計画的な入所で、入居中に在宅での生活を改善するために専門職がチームで支援をおこなっています。特養や老健などの施設内だけで完結するのではなく、在宅を支援するため、リハビリテーション専門職や看護職などの専門性を発揮し、積極的な地域還元が求められていますが、区としては、どのように働きかけるのでしょうか。

【区長】
最後に、施設による在宅支援についてのご質問にお答えします。
本区における特別養護老人ホームでは、ショートステイや緊急ショート利用のために空きベッドを活用しております。
また、老人保健施設では、専門職が地域のケアマネジャーと連携して円滑な在宅復帰を支援しております。
なお、社会福祉法人の地域貢献については、各法人で検討が行われており、区といたしましても、地域包括ケアシステムの構築に向けて、支援をしてまいります。